コラム

日本の野菜は大丈夫?!世界と日本のネオニコチノイド農薬に対する規制の違い

日本でもオーガニック製品が普及しはじめ、食に対する意識は高まってきています。しかし、その裏で「日本は農薬大国」と呼ばれていることをご存知でしょうか?「国産ならば野菜は安全」というのは、野菜においてはもはや過去の話になっているのです。

欧米諸国では農薬についての規制が厳しく見直され、国民の消費活動も変化がみられてきてます。

農薬国別使用量

一方で日本では残留農薬の規制緩和が行われるなど、まだまだ農薬の危険性に対する認知は不足している状況です。日本の現状と私たちの行動を見つめ直すためにも、世界の状況から学んでみませんか?
今回は日本の農業と世界の現状についてお話していきます。

国産オーガニックと無農薬野菜の実態

イギリス マーケット

オーガニック先進国といわれるイギリスのマーケットでは、オーガニック、無農薬野菜が閉める割合がほとんどで、当たり前になっているといいます。また、アメリカでも健康意識が高まるにつれて、オーガニック商品だけを扱うスーパーが急速に普及しました。

近年では日本にも外資系のオーガニックスーパーが上陸したり、オーガニックレストランが人気になるなど、認知が広まっていますが、使っているのはごく一部の人たちに過ぎません。
ブランドやファッションのような感覚に近く、まだ一般市民における認知は低いのが現状です。

たとえば有機野菜の作付け面積でいえば、まだ日本はたったの0.5%。イギリスでは20%を超えるほど普及しており、日本はむしろかなり低いレベルにとどまっています。どうしてこれだけの格差が生まれてしまったのでしょうか。

日本と世界では農業格差が広がっている?!

「The World of Organic Agriculture2020」によれば、世界の有機農業の栽培面積は増加傾向にあるといわれています。
有機農業の最大地域であるオーストラリアを含むオセアニアではなんと全体の作付け面積の半分を占めています

栽培面積でいえば、オーストラリア、アルゼンチン、中国、スペイン、ウルグアイの順でつづき、日本はランキングの最後の方になってやっと姿をあらわす程度。
日本は経済的な先進国ではありますが、有機農業に関しては後進国といわざるを得ない状況です。

厳格化が進む海外の農薬規制

アメリカも欧州、そして日本も農薬が普及してから90年代には大量使用を行った時期がありました。その後2000年代前半に最も早く動き始めたのはEU諸国です。
その後、アメリカも規制を見直すなど対策に取り組み始めました。

たとえば、EUでは2018年4月に3種類のネオニコチノイド系農薬の屋外使用を全面禁止にしています。
この決定の裏付けとなったのが、ネイチャーやサイエンスといった信頼性の高い学術雑誌に相次いで、ネオニコチノイド系農薬の危険性を示すデータが発表されたことです。

また、アメリカにおいても「ミツバチの生存への危険性」についてのラベル表示を行ったり、受粉媒介動物の保護を強化するなど、農薬を減らす動きがみられています。このように欧米諸国はとっくに法律を変えるなど、対応を始めています。

世界の潮流と逆らう日本の現状

では、日本はどうでしょうか?
残念ながら規制が厳格化されていないどころか、むしろ規制緩和の動きや適応拡大の動きもあります。

ミツバチ大量死
2013年にはミツバチ大量死の原因とされるクロチアニジンの残留農薬基準が緩和されました。基準緩和や適応拡大されたということは、それだけ農薬の使用を推進する方向に進んでいるということです。

また、有機JAS認証を取得する仕組みが複雑であり、コストもかかることから有機栽培と同じレベルで栽培していても、有機認証を取得していない農家もあるといわれています。国内でも多くのミツバチ大量死や中毒事故などが起きているにも関わらず、「農業に農薬は必要である」「基準内で使っていれば人体に影響はない」と農薬推進の動きは止まらない状態です。

国が主体となった根本的な農薬対策が進まない

では国は何も対策を行っていないのでしょうか?
日本の農林水産省でも有機農業に対しての取り組みは行われています。しかし、有機農業の支援に前向きな姿勢で取り組んでいるとは言い難い状態であり、支援の体制も整っていません。

たとえばフランスでは、2001年に「アジャンス・ビオ」という官民の有機農業振興団体が設立されました。
有機農業を促進する団体であり、膨大な資金を投じて有機農業に取り組みたいと思っている農家に資金援助などを行っているといいます。

甲斐あってフランスでは2018年に5000件もの農家が有機農業にシフトし、有機栽培農家は全体の10%まで増加しました。

無農薬栽培も有機農業もいずれもコストや手間がかかるものであり、簡単に切り替えられるものではありません。
農家さんに全ての責任を押し付けてしまうのはあまりにも酷なことなのです。国が主体となって経済的な支援をしなければ、日本の農業を大きく変えることは難しいでしょう。

なぜ日本では農薬使用が止められないの?

日本の野菜は安全と思っていた方にとっては、ここまでの事実は衝撃的だったかもしれません。
海外よりも大幅に農薬使用においては遅れをとっているのが現状です。では、日本は農薬の使用を海外のように止められないのでしょうか?

日本の高温・多雨の気候

日本の高温・多雨の気候

農薬を使っているのは、高温多湿、雨が多い気候であることが原因だとよく言われます。虫が発生しやすい気候であるため、農薬を使用しなければなりません。また、一年中を通して旬に関係なく野菜を流通させるために使われている成長調整剤も農薬の一部です。

しかし、世界の状況をみてみると、気候に悩んでいるのは決して日本だけではないはずです。気候を理由に農薬のリスクを甘く見ることは危険なことではないでしょうか。

消費者が「美しすぎる野菜」を求める

農薬の使用を増やしているのは、消費者にも責任があります。日本の消費者は形が整った野菜が良い野菜、安全な野菜と思っているところがあります。また大きな野菜の方が健康的で美味しそうと思われがちです。
真っ直ぐなキュウリ、甘くてつやつやなトマト、穴のあいていないキャベツなど、見た目の良さや先入観で選んでいないでしょうか?

形の良い野菜

厳しい要求が強まっていくことで、農家さんの仕事を増やし、農薬の使用量も増やしている可能性があります。本当に良い野菜とはどんな野菜なのか、私たちは今一度きちんとした知識を学んでいく必要があるでしょう。

野菜にかけられるコストの問題

日本人は「格安」「激安」「〇〇均一」など安くて良いものを求める傾向があります。不況による経済的な理由から、食費を削ってやりくりしているという家庭が多いことも関係しているでしょう。

食費の中でもお金をかけるのはお肉やお魚などの主食で、どちらかというと野菜の値段は削られがちです。無農薬は高いというイメージもあり、慣行栽培の野菜よりもやや割高であることも事実です。

ただ、格安野菜の裏には何らかの理由があると思ったほうが良いでしょう。気候の影響で大量に収穫できることもありますが、農薬や肥料を使って効率的に作られたものが安い価格で多く出回っていることがほとんどです。安いにはそれなりの理由があるもの。健康のためには値段だけでは手に入らない価値まで考えて選ぶことが大事です。

日本の農業は行動から変えられる

では、無農薬野菜や有機栽培をもっと普及させるために、私たちができることはなんでしょうか?まずは毎日の生活で簡単にできることを考えてみましょう。近くの市場や販売所、またはインターネットで無農薬やオーガニック野菜を買うのも一つの手段です。ぜひこの機会に野菜を買うということの背景や影響まで見つめ直してみてくださいね。

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